ホスト 神
ハルさんがデスクから立ち上がって歩き出した。


「皆この記事の事はもう知ってるな?ウチとしてもこの雑誌が出るまでこんな風に載るとは知らなかった。」



「それはもう記事に成った時点で通用しないでしょう。」



家康の無関心な言葉に苛ついたが、構わずにハルさんが話し始めたので黙る。



「あぁ。俺もそう思う。だから謝罪文を載せるよう出版社に連絡した。そしたらこの記事を書いた記者は休暇中だから、休暇があけて出社したら、真意を確かめて返事をすると言われた。」



家康の低い笑い声だけが、無音なオーナー室に響きわたった…もう限界…俺は家康に掴みかかった。



「家康!テメェ何か知ってんだろうが!」



ジュンが俺を後ろから押さえ、感情の赴くままに動く俺を静めようとする。



「神止めろ!神!」


ハルさんの声で家康の首元を掴んでいた手を離し、家康に背を向けてデスクの脇に向かって歩き出した。



「やれやれ。ナンバー1さんは俺の事が嫌いらしいや。」





「テメェ。また鼻潰してやろうか?」
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