ホスト 神

これには家康もキレたらしく、猛然と俺に掴みかかってくる。


「あ？上等だ！コノヤロー！」



俺をジュンが押さえ、家康を龍一が押さえ、月矢が間に入って止める。



「止めろお前等！お前達が揉めたらそれこそ［blue］の思う壷だろーが！」



ハルさんの一言で五人の動きが止まった瞬間、オーナー室のドアを誰かがノックした。



「失礼します。下まで怒声が響いてお客さんを動揺させています。」



「あぁ分かった。お客様には何でも無いと言っておいてくれ！後から俺が挨拶周りに行く。」



「分かりました。失礼しました。」



義人が頭を下げてドアを閉めて行き、ハルさんはそのままタバコに火を付ける。



「取り敢えず今は営業優先だ。皆フロアに戻ってくれ。」



龍一、家康、月矢、ジュン、俺の順でホールに降りて行く…俺達がフロアに降りて行くと、お客もホストも全員此方に視線を向ける。



正直その日の接客はボロボロだった…樹里と泉美、ナナエとユカリそれに真里。皆に帰る時に今日は申し訳なかったと謝った。



特に樹里は自分が雑誌を見せた所為だと落ち込んでいたが、そんな事は関係無い…遅かれ早かれこうなっていた筈だから。