ホスト 神
俺が由美と住んでると言う事は[fly]でもジュン、月矢、ハルさん、美月さんしか知らない事。



皆に話しても良いんだが、恐らく半分以上の奴は信じてくれないだろう…それにホストは人気商売…この事をバラせば、俺の指名客は激減するだろう。



もしかしたら一人も居なきなるかもしれない…玄関で悩んでいると、急に慎悟が焦りだした。



「すいません、トイレ貸して貰って良いですか?漏れそうなんで…。」



俺は少し戸惑いながらも、慎悟の様子を見かねて廊下の左側を指さした。


「真っ直ぐ行って左側の二番目だ。」



俺がそう言うと慎悟は、そそくさと靴を脱いでトイレへ駆け込んで行った…それを見て俺は一抹の不安を感じながらも玄関に入った。





この時の俺の甘い判断が、後にあんな事態を巻き起こすなど、この時は考えもして無かった。





…俺の人生に分かれ道が有ったとしたならば、間違いなくこの時だったんだろう…。
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