ホスト 神
「だからなんだよ?いいから早くかかってこい。」



そう言い終えると同時に、キャッチの兄ちゃんが大振りな右ストレートを出してきた。



俺はそれに合わせるように、素早く右ハイキックを繰り出す。



当然足の方が長いから、パンチが当たる前に兄ちゃんは横の壁に吹っ飛ぶ。



そこからは蹴る。兎に角蹴る。頭をガードしたら腹を、腹をガードしたら頭を。相手が動かなくなるまで蹴り続ける。



呻き声や喚き声なんて耳には入ってこない。



20発ほど蹴った所で、兄ちゃんが動かなくなったので終了。



相手を蹴っている時、俺の頭の中は真っ白になる。



だが気持ちは冷静。



一歩後ろから引いて見ているような感じ。



その異様な感覚が、俺のテンションを頗る上げてくれる。
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