ホスト 神
不意にリビングのドアを開けた慎悟が、由美の姿を見て固まっていた…俺は説明するのが面倒になり、お互いを交互に指さした。



「由美、新人の慎悟だ。慎悟、由美だ。」



由美は徐に(おもむろに)立ち上がり、その場で深々とお辞儀をした。



「どうも神の家内の由美です。何時も神がお世話になって…」



「違う!」



俺は由美の言葉を遮るように叫んだが、ジュンと月矢はソファの上で腹を抱え、笑うのを我慢している。



慎悟はまだ呆然とした顔でその場に立ち尽くし、相変わらず由美を見ている。



「お前ね、もういい加減そのネタ止めろよ!」



「なんで?楽しいじゃん?」



そう言って慎悟の分のコーヒーを煎れに、キッチンへ向かったが、月矢は我慢するのを止めて笑い出した。



「いいねぇ!今のネタナイスだよ由美ちゃん!」


ジュンは笑いの波が治まったらしく、片頬を引き吊らせながらも、何とか言葉を捻り出した。



「まぁまぁお二人さん!冗談はそれくらいにして!」




…いやいやジュン君…ちょっと待ってよ…俺は全く持ってふざけて無いよね!
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