短編 今自分に出来る事
ある写真家は…
俺は、今日もカメラのファインダーを覗きこみシャッターを切り続ける。
例えそれが、非人道的な被写体であったとしても…
俺は、戦場カメラマンをしている。
もちろん、初めからこんな危険で撮られる被写体側からすれば、悪魔のような事を希望していた訳では無い。
元々は、風景専門のカメラマンをしていた。
今、そこにある幻想的な瞬間を1つの絵に残し、そんな風景も有ることを皆に知って貰いたかったからだ。
言わば生を撮り続けていた。
しかし、あることをきっかけに俺は、死を撮す事の意義を理解してしまったのである。
あれは、海外の山々を撮りに行った時のこと。
山の中腹付近で、土砂崩れがおき、遭難にあったのである。
ガイドとスタッフを含め5人。
皆、土砂崩れのせいで怪我をし一週間も山で過ごした。
一週間後に救出されたのは一人。
そう、俺だけ生き延びたのである。
その時、スタッフの一人に
「先生、もし先生が生き延びる事があったら、私の家族に今の姿を写真に収めて、伝えて欲しい。私は、生き延びようと頑張っていたと。お願いします。先生。」
そう懇願され、私は初めて、風景以外の写真を収めた。
その写真はもちろんご家族に渡したが。
例えそれが、非人道的な被写体であったとしても…
俺は、戦場カメラマンをしている。
もちろん、初めからこんな危険で撮られる被写体側からすれば、悪魔のような事を希望していた訳では無い。
元々は、風景専門のカメラマンをしていた。
今、そこにある幻想的な瞬間を1つの絵に残し、そんな風景も有ることを皆に知って貰いたかったからだ。
言わば生を撮り続けていた。
しかし、あることをきっかけに俺は、死を撮す事の意義を理解してしまったのである。
あれは、海外の山々を撮りに行った時のこと。
山の中腹付近で、土砂崩れがおき、遭難にあったのである。
ガイドとスタッフを含め5人。
皆、土砂崩れのせいで怪我をし一週間も山で過ごした。
一週間後に救出されたのは一人。
そう、俺だけ生き延びたのである。
その時、スタッフの一人に
「先生、もし先生が生き延びる事があったら、私の家族に今の姿を写真に収めて、伝えて欲しい。私は、生き延びようと頑張っていたと。お願いします。先生。」
そう懇願され、私は初めて、風景以外の写真を収めた。
その写真はもちろんご家族に渡したが。