ばうんてぃ☆はうんど・vol.1〜地中海より愛を込めて《改訂版》
「よし、あかり。ここらに今の時間からやってる地下酒場はないか?」
「人使いが荒いなぁ」
ぶつぶつ言いながらも、タブレットを操る。
「あったよ。てか一軒だけ。ここから歩いても10分くらい。ちょうど20分前からオープンしてる」
「よし。行ってみっか」
「ああ」
「トゥース!」
「だから、お前は留守番だ」
「ええー?!」
また遺憾の意を表明してきやがった。
「ガキ連れて、飲み屋なんかに行けるか。しかもそんな目立つカッコで」
頭のてっぺんから足のつま先まで、ずいっと指差し言ってやった。
「こんなの日本ぢゃちょーフツー!」
口をとがらせ、文句をたれる。
「ここは日本じゃねえ。それにホントに日本でも普通かどうか、怪しいもんだ。いいからお前はバラクーダに戻ってろ」
またしてもぎゃーぎゃーわめくサムライメイドを尻目に、俺達はカフェを後にした。
あかりが突き止めた、地下酒場への階段前。俺達二人は、階段入口のすぐ横にバイクを止めた。
いかにも胡散臭い連中が出入りしてそうな雰囲気ではある。
もちろん絶対ではないが、この中にマルケスがいる可能性が高い。
ちなみにマルケスの懸賞金は1000万。久しぶりに美味いメシが食えそうだ。ついでにどっかのリゾートで、数日バカンスしても良いかもしれない。
「二手に別れよう。念のため僕は店の外を張る。中は頼むぞ」
「オッケー。んじゃ、こっからはインカム使うぞ」
「了解」
ディルクにインカムの一つを渡す。耳に突っ込んで使うタイプだ。目立たないし、身体の動きも制限されない。発信のときは、指に付けたボタンを押せば会話ができる。
「ほんじゃ、ちょっくら行ってくるわ」
「気をつけろ」
相棒の声を背中に、俺は地下への階段を下りる。
階段を下り切って、左手に店への入口があった。ボロボロのドアで、看板も傷んでいて店名すらも読めない。その看板自体、斜めに傾いて壁から取れかかっていた。
「人使いが荒いなぁ」
ぶつぶつ言いながらも、タブレットを操る。
「あったよ。てか一軒だけ。ここから歩いても10分くらい。ちょうど20分前からオープンしてる」
「よし。行ってみっか」
「ああ」
「トゥース!」
「だから、お前は留守番だ」
「ええー?!」
また遺憾の意を表明してきやがった。
「ガキ連れて、飲み屋なんかに行けるか。しかもそんな目立つカッコで」
頭のてっぺんから足のつま先まで、ずいっと指差し言ってやった。
「こんなの日本ぢゃちょーフツー!」
口をとがらせ、文句をたれる。
「ここは日本じゃねえ。それにホントに日本でも普通かどうか、怪しいもんだ。いいからお前はバラクーダに戻ってろ」
またしてもぎゃーぎゃーわめくサムライメイドを尻目に、俺達はカフェを後にした。
あかりが突き止めた、地下酒場への階段前。俺達二人は、階段入口のすぐ横にバイクを止めた。
いかにも胡散臭い連中が出入りしてそうな雰囲気ではある。
もちろん絶対ではないが、この中にマルケスがいる可能性が高い。
ちなみにマルケスの懸賞金は1000万。久しぶりに美味いメシが食えそうだ。ついでにどっかのリゾートで、数日バカンスしても良いかもしれない。
「二手に別れよう。念のため僕は店の外を張る。中は頼むぞ」
「オッケー。んじゃ、こっからはインカム使うぞ」
「了解」
ディルクにインカムの一つを渡す。耳に突っ込んで使うタイプだ。目立たないし、身体の動きも制限されない。発信のときは、指に付けたボタンを押せば会話ができる。
「ほんじゃ、ちょっくら行ってくるわ」
「気をつけろ」
相棒の声を背中に、俺は地下への階段を下りる。
階段を下り切って、左手に店への入口があった。ボロボロのドアで、看板も傷んでいて店名すらも読めない。その看板自体、斜めに傾いて壁から取れかかっていた。