ばうんてぃ☆はうんど・vol.1〜地中海より愛を込めて《改訂版》
いつからだったか、世界中を逃げ回るような悪人どもをとっ捕まえるために、ICPOと国連が『国際犯罪懸賞金法』、通称『BH(バウンティハンター)法』なるもんを作って、金を欲しがってる荒くれ者どもを味方につけちまおうって世の中になったわけだ。
おかげで今や、世界中で犯罪者とBHたちのイタチごっこが毎日繰り返されてる。ま、俺もそのうちの一人なわけだが……
ネイビー・シールズを辞めてBHになったとき、ウェブで仲間募集の広告を出して最初に応募してきたのが、このディルクだったわけだ。
「よくこんなところで寝られるな。死ぬぞ」
「軍にいりゃ、寝られる時にどこででも寝られないと、逆に早死にするんだよ」
「僕には無理だな」
無表情のまま、ディルクはクルーザーのキャビンへ降りる。
こいつは腕も頭も良いが、いかにもドイツ人らしく愛想がない。いつでもクールなポーカーフェイスで、論理的に動きやがる。
っても俺がその真逆な性格だから、逆にうまくいってる気がしないでもないが……
頭の後ろをかきながら、俺もディルクについて下に降りた。
テーブルの上には、巨大なピザが用意されていた。クルーザーの簡易的なキッチンで、どうやってここまでデカいピザを作ったのかわからないが。
トッピングはやたらとソーセージが多かった。ドイツ人のせいか、ディルクは無類のソーセージ好きだ。
この相棒は料理の腕が良いので、なし崩し的にうちの料理担当になってしまったが、メニューに過剰なまでのソーセージを使うのが難点だ。
「またウインナーか……」
俺はため息まじりに席につく。
「ウインナーじゃない。これはフランクフルトだ」
「どっちもソーセージじゃねえか!」
席につきながら訂正してきたディルクに、俺はすばやくツッコむ。
「あかり。お前もさっさと席につけ」
俺のツッコみはまるっきり無視して、この相棒はうちの船の『居候』を呼ぶ。
「ふわ~い」
間の抜けた子供のような声……というより子供そのものの声が聞こえてから、『そいつ』はベッドルームから現れた。
「てかトッピング少なくね?」
軽くダメ出ししながら席についたこの居候は、名を四ノ宮あかりという。
おかげで今や、世界中で犯罪者とBHたちのイタチごっこが毎日繰り返されてる。ま、俺もそのうちの一人なわけだが……
ネイビー・シールズを辞めてBHになったとき、ウェブで仲間募集の広告を出して最初に応募してきたのが、このディルクだったわけだ。
「よくこんなところで寝られるな。死ぬぞ」
「軍にいりゃ、寝られる時にどこででも寝られないと、逆に早死にするんだよ」
「僕には無理だな」
無表情のまま、ディルクはクルーザーのキャビンへ降りる。
こいつは腕も頭も良いが、いかにもドイツ人らしく愛想がない。いつでもクールなポーカーフェイスで、論理的に動きやがる。
っても俺がその真逆な性格だから、逆にうまくいってる気がしないでもないが……
頭の後ろをかきながら、俺もディルクについて下に降りた。
テーブルの上には、巨大なピザが用意されていた。クルーザーの簡易的なキッチンで、どうやってここまでデカいピザを作ったのかわからないが。
トッピングはやたらとソーセージが多かった。ドイツ人のせいか、ディルクは無類のソーセージ好きだ。
この相棒は料理の腕が良いので、なし崩し的にうちの料理担当になってしまったが、メニューに過剰なまでのソーセージを使うのが難点だ。
「またウインナーか……」
俺はため息まじりに席につく。
「ウインナーじゃない。これはフランクフルトだ」
「どっちもソーセージじゃねえか!」
席につきながら訂正してきたディルクに、俺はすばやくツッコむ。
「あかり。お前もさっさと席につけ」
俺のツッコみはまるっきり無視して、この相棒はうちの船の『居候』を呼ぶ。
「ふわ~い」
間の抜けた子供のような声……というより子供そのものの声が聞こえてから、『そいつ』はベッドルームから現れた。
「てかトッピング少なくね?」
軽くダメ出ししながら席についたこの居候は、名を四ノ宮あかりという。