ばうんてぃ☆はうんど・vol.1〜地中海より愛を込めて《改訂版》
「えーっと……」
口どもるボスに、俺とあかりの二人がにじり寄る。
「あ、あの……お、おいくらでしたっけ……?」
『二人で国家予算2年分になりまーす』
声をハモらせ言ってやる。
「えっと……もうちょっと安く……」
『てか無理』
忠吉の柄尻とP226のストックが顎にヒットし、ボスはその場にひっくり返った。
「終わったな」
言いながら、ディルクは屋上から降りてきた。
「ああ。これで後はマルケスをサツに……って。あれ? マルケスは?」
辺りを見渡すが、マルケスの姿はどこにもない。
「まさか……」
「逃げたようだな」
「マジー?!」
あの野郎、どさくさに紛れて逃げやがったのだ。
「どぉすんのさー! せっかくここまで来たのにー! 捕まえなきゃお金もらえないぢゃん! もぉトッピングなしのピザとかあたし的に無理ー! マジちょー使えないあんた達!」
「うるせー!!」
例によってぎゃーぎゃーわめくガキを一喝したその時、
「タクシー!」
遠くで誰かが、タクシーを止める声が聞こえた。
『ん?』
3人同時に顔を見合わせる。どこかで聞いたような声。声のした先に目をやると――
今まさに、マルケスがタクシーに乗り込み走り去るところだった。
『あー!』
またも3人同時に声をあげる。
「てか逃がさない!! あたしの食費!!」
スケボーに飛び乗り、あかりはタクシーを追いかける。
あかりのスケボーは、超ハイトルクモーター内蔵の特別製だ。スマホで操作し、時速35マイルは出る。ただし、扱うにはかなりの反射神経が必要だが。
「俺達も行くぞ!」
「無論だ」
俺とディルクもバイクにまたがり、タクシーを追いかけた。
口どもるボスに、俺とあかりの二人がにじり寄る。
「あ、あの……お、おいくらでしたっけ……?」
『二人で国家予算2年分になりまーす』
声をハモらせ言ってやる。
「えっと……もうちょっと安く……」
『てか無理』
忠吉の柄尻とP226のストックが顎にヒットし、ボスはその場にひっくり返った。
「終わったな」
言いながら、ディルクは屋上から降りてきた。
「ああ。これで後はマルケスをサツに……って。あれ? マルケスは?」
辺りを見渡すが、マルケスの姿はどこにもない。
「まさか……」
「逃げたようだな」
「マジー?!」
あの野郎、どさくさに紛れて逃げやがったのだ。
「どぉすんのさー! せっかくここまで来たのにー! 捕まえなきゃお金もらえないぢゃん! もぉトッピングなしのピザとかあたし的に無理ー! マジちょー使えないあんた達!」
「うるせー!!」
例によってぎゃーぎゃーわめくガキを一喝したその時、
「タクシー!」
遠くで誰かが、タクシーを止める声が聞こえた。
『ん?』
3人同時に顔を見合わせる。どこかで聞いたような声。声のした先に目をやると――
今まさに、マルケスがタクシーに乗り込み走り去るところだった。
『あー!』
またも3人同時に声をあげる。
「てか逃がさない!! あたしの食費!!」
スケボーに飛び乗り、あかりはタクシーを追いかける。
あかりのスケボーは、超ハイトルクモーター内蔵の特別製だ。スマホで操作し、時速35マイルは出る。ただし、扱うにはかなりの反射神経が必要だが。
「俺達も行くぞ!」
「無論だ」
俺とディルクもバイクにまたがり、タクシーを追いかけた。