ばうんてぃ☆はうんど・vol.1〜地中海より愛を込めて《改訂版》
「しゃーねえ。またカモを探すか」
懸賞金のリストはウェブ上で公開されてる。ICPOが運営する専門のサイトがあるのだ。
犯罪者の名前、経歴、犯罪の内容、潜伏していそうな地域、もちろん懸賞金の額まで。簡単な情報ならここで手に入る。
だがそれだけじゃダメだ。誰でも見られるような情報だけでカモを捕まえられるほど、BHは甘くない。同業者に先を越されちまう。
故にほとんどのBHは、自分だけのコネや情報源を持っている。俺にももちろんあるし、ディルクにもある。それになんと言ってもこっちには、腕利きのコスプレハッカーがいる。
「おい、あかり――」
「ジルー。あたしスペイン行きたい」
『良いカモはいないか?』と聞こうとした矢先、人のセリフにかぶせてきやがった。
「何だよ唐突に」
「ちょーパエリア食べたいんですけど」
口の中にピザを2ピース突っ込んだ状態でのたまいやがった。
「お前の思いつきはいつも唐突すぎる」
「パエリアパエリアパエリアー! てか最近米食べてないから米ロスエグい! 日本人なのに米食べらんないってどんだけー?!」
わけのわからんテンションで騒ぎ始めた。確かに俺も米好きで、好物は納豆ライスだが。
「ヨーロッパならこっから近いぢゃーん。この船なら2日くらいで地中海まで行けんぢゃね? てか行ってガチで」
めちゃくちゃ言いやがる。まあ確かに、バラクーダなら行けるだろうが……
「その前にだ。カモを見つけろよ。それがお前の仕事だろ」
「カモならもぉ見つけたし」
さらにピザをほおばりながら答える。
「なんだよ。どこにいんだ? そいつ」
「スペイン」
「先に言え!」
最後のピザをダイエットコーラで流し込み、俺はコクピットへ向かう。
「んじゃま。そういうワケで行きますか。スペイン」
「パエリアー☆ ついでにアイスもね♪」
そんな俺らを横目に、ディルクは淡々と皿を片づけ始める。
船は一路、地中海を目指し、北上を始めた。
懸賞金のリストはウェブ上で公開されてる。ICPOが運営する専門のサイトがあるのだ。
犯罪者の名前、経歴、犯罪の内容、潜伏していそうな地域、もちろん懸賞金の額まで。簡単な情報ならここで手に入る。
だがそれだけじゃダメだ。誰でも見られるような情報だけでカモを捕まえられるほど、BHは甘くない。同業者に先を越されちまう。
故にほとんどのBHは、自分だけのコネや情報源を持っている。俺にももちろんあるし、ディルクにもある。それになんと言ってもこっちには、腕利きのコスプレハッカーがいる。
「おい、あかり――」
「ジルー。あたしスペイン行きたい」
『良いカモはいないか?』と聞こうとした矢先、人のセリフにかぶせてきやがった。
「何だよ唐突に」
「ちょーパエリア食べたいんですけど」
口の中にピザを2ピース突っ込んだ状態でのたまいやがった。
「お前の思いつきはいつも唐突すぎる」
「パエリアパエリアパエリアー! てか最近米食べてないから米ロスエグい! 日本人なのに米食べらんないってどんだけー?!」
わけのわからんテンションで騒ぎ始めた。確かに俺も米好きで、好物は納豆ライスだが。
「ヨーロッパならこっから近いぢゃーん。この船なら2日くらいで地中海まで行けんぢゃね? てか行ってガチで」
めちゃくちゃ言いやがる。まあ確かに、バラクーダなら行けるだろうが……
「その前にだ。カモを見つけろよ。それがお前の仕事だろ」
「カモならもぉ見つけたし」
さらにピザをほおばりながら答える。
「なんだよ。どこにいんだ? そいつ」
「スペイン」
「先に言え!」
最後のピザをダイエットコーラで流し込み、俺はコクピットへ向かう。
「んじゃま。そういうワケで行きますか。スペイン」
「パエリアー☆ ついでにアイスもね♪」
そんな俺らを横目に、ディルクは淡々と皿を片づけ始める。
船は一路、地中海を目指し、北上を始めた。