カップルのおきて【修正中】
この日、私は医者に呼ばれて、診察室にいた。翔太の話だろう……。



私は妙にそわそわすることもなく、どっしり構えていた。だって、これ以上、不幸なことは…、翔太が死ぬことぐらいだもの…。







「お、来たね。」







主治医の木村先生は、初老のおじいさんで、私たちのことには、本当に親身になってくれている、いい先生であった。











「ふう〜、年で腰が痛いねぇ。もう、私も年だなあ。」




先生はそう言いながら、腰をたたいてみせ、椅子に座った。










「今日は昔の話でも、ゆっくりしようと思ってね。翔太くんが事故に遭ったとき、私はその場に居合わせたんだ。」






先生が懐かしそうに、でも、とても辛そうに一つ一つをたぐりよせるように、話していった。







「翔太くん、あの日、君に電話をかけてきたろう??」






「は…、はい。」










「あのとき、大丈夫だって言ってたけどね、こっちはとてもそんな状態じゃなかったんだよ。」












え……??どういうこと……??






先生は目をふせたまま、話し続けた。
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