カップルのおきて【修正中】
真知子が肩を震わせて俯く。












願いが…叶うなら……、














その震える肩を抱き寄せて、……キスしたい。












そして、この想いを伝えたい。












ほら、手を伸ばせば、全て…全てが叶うのに、俺にはそれができない……。












伸ばしかけた手を止めて、自分に引き寄せた。














ダメ…なんだ。こんなことをしたら…、いけないんだ。俺たちは兄妹なんだから…。











でも、彼女に関しては、今いないことは事実だし、真知子に否定はしておかないといけない。












「彼女なんていな……っ。」






「やっぱいるよね。たけ兄だもん、一人や二人いてもおかしくないのに…。私ったら…、何言ってんだろね。」







しびれを切らした真知子がそう言って、俺の言葉を遮った。
そう強がって言った真知子の目は、涙が溜まっていた。











もう…だめだ。












抑え切れない…っ。









俺は真知子の肩を掴んだ。真知子は驚いた顔でこちらを見て、言葉を待っていた。











「真知子っ、俺はなっ!!!」
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