カップルのおきて【修正中】
…ヤバイ。本当に可愛い。
俺は兄貴だろ。抑えろ、抑えろ……。












バスに乗り込んでからの密着は、凄くヤバイものがあった。
真知子は普段、香水やら化粧やらする子ではないのに、今日に限ってばっちりなのが、俺の心を揺さぶった。











バスは超満員で、俺たちは美術館入口まで、立っている必要があった。
その間、バスが揺れるたび、ただでさえ近くにいる真知子が俺にもたれかかってくる。
そのときに、ふわっとくる甘い香りと、上目遣いで、ごめんね、という真知子に俺は一瞬、兄であることを忘れてしまう。












本当に、この気持ちは厄介だ。












バスが着くまで、俺はもう一人の自分との、激しい戦いに勝利し、何事もなくバスを降りることができた。











真知子の屈託のない笑顔が、俺の心を締め付ける。











真知子の望みが…、俺と一緒なら、それは…叶えてやれない。












そう思うたび、俺は胸が苦しくなった。
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