カップルのおきて【修正中】
「たけ兄、これ……。」
「見たことないな……。新しいものなのかな…。」
「それは『罪という名の幸福』という絵画です。」
私とたけ兄が、声のするほうを振り向くと、初老の男性が、片手には杖をもち、立っていた。
スーツでビシッと決めていて、杖をついているが、背筋を伸ばした、気品のある男性だった。
「その絵画は、私のフランス人の知人が描いたものでして、公に公開するのは、今回が初めてで最後になります。名の知れない画家だった彼の、望みでしたから……。」
「そのかたは、なぜこれを??」
たけ兄は、しっとりした声で男性に尋ねた。
男性は嫌がる様子もなく、昔を懐かしむ感じで話し始めた。
「…彼には、4つ下の妹がいました。貧しい家の生まれで、両親に捨てられ、働かざるをえなくなった彼は、道で絵を売るようになったのです。しかし、絵がそんなに売れるはずもなく、妹と彼はいつも貧しい思いをしていた。しかし、それでも彼は幸せだったのです。」
「……どうしてですか??」
男性は振り向き、私とたけ兄を交互に見て言った。
「彼は妹を愛していたからです。」
「見たことないな……。新しいものなのかな…。」
「それは『罪という名の幸福』という絵画です。」
私とたけ兄が、声のするほうを振り向くと、初老の男性が、片手には杖をもち、立っていた。
スーツでビシッと決めていて、杖をついているが、背筋を伸ばした、気品のある男性だった。
「その絵画は、私のフランス人の知人が描いたものでして、公に公開するのは、今回が初めてで最後になります。名の知れない画家だった彼の、望みでしたから……。」
「そのかたは、なぜこれを??」
たけ兄は、しっとりした声で男性に尋ねた。
男性は嫌がる様子もなく、昔を懐かしむ感じで話し始めた。
「…彼には、4つ下の妹がいました。貧しい家の生まれで、両親に捨てられ、働かざるをえなくなった彼は、道で絵を売るようになったのです。しかし、絵がそんなに売れるはずもなく、妹と彼はいつも貧しい思いをしていた。しかし、それでも彼は幸せだったのです。」
「……どうしてですか??」
男性は振り向き、私とたけ兄を交互に見て言った。
「彼は妹を愛していたからです。」