カップルのおきて【修正中】

……え？？


「あのね、どうしても彼氏役がいるの。一日だけッ、一日でいいから、私の…その…、彼氏役やってくれないかな？」



ひざだちになっていた僕は、力が抜けて、ガクッと音を立てて、座った。





な、なんだ……





って！！何期待してるんだ！！！相手はあの千春だよ！？いくら彼女がいないからってそれは…。正気に戻れッ、僕ッ！！！！






千春にちらっと目をやる。昔に比べたら、黒かった肌は、光に反射すると見ているほうが眩しいくらい白くて、なんだか……



「健太郎…？？」





「ぅ、わ、い、いいよっ、ふりだし、大したことないしさッ！！！！」



「よっしゃッ！！じゃあ詳しいことは明日話すからッ！！てか、今忙しいし、また明日ねー！！バイバーイ！！！」


ドアを無理やり閉められて、外にだされた僕は、千春にドキっとしたことを後悔した。前言撤回。千春は千春のままだった。





「そっちが呼んだくせに……。いっつもこうなんだから、まったく……」








…でも、僕が千春の彼氏…。一日だけ、か…。







初めての『彼氏』という響きに、底知れない違和感と、そわそわするようなドキドキを覚えた。