カップルのおきて【修正中】
がらっ


「お前、なんで何日も来なかったわけ??」


「…わたくしが来なくても、ただいつもの日常に戻るだけですわ。」



そう、ただそれだけの存在。大宮にとってわたくしはそれだけなの。
それだけ…。



大宮はわたくしに近づいて、いつもよりも顔を近づけて言った。



「返事は??俺と付き合うかどうか。本気なんだよ。」


そして、優しく肩を引き寄せられ、大宮の大きな腕にすっぽり入ってしまった。


こんな甘い言葉があるかしら。単純な単語の羅列に喜ぶわたくし。
これはまるで麻薬ね。会うたび、抱きしめられるたび、…キスするたび、あなたをたくさん求めてしまう…。でも、その果てには何があるのかしら??恋の極限ってなんなのかしら??わたくしは、好きなのに別れることが、恋の極限だと思うわ。恋をするなら、わたくしは麻薬中毒者になりたいですわ。それだけあなたを思って溺れたいから。



…でも、あなたは違うんでしょうね。自分を守る盾に、わたくしを選んだだけ。偶然、あの時叫んだわたくし、投げたわたくしに、絵を描いてるところを見たわたくしを、自分の思い通りにできるものにしておきたかったのでしょうね。


でも、わたくしは違います。わたくしは…、あなたの中毒者になりたいもの……。



「そうやって、監視をしたいんですよね??でも、心配はいりませんわ。決して誰にも言いませんから…。」


わたくしは大宮から離れ、ドアへ歩いて行った。





「さようなら。」
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