海に花、空に指先、地に霞

すぐ目の前に…彼のキレイな顔があって。
すごく楽しそうに相好を崩した。

「な、…な……?!…ち、痴漢!」

「また騒ぐと、またするよ?」

クスクスと笑う顔さえキレイで…すごく腹立つ!!

でもぐっと私は言葉を飲み込んで、口元を両手で覆う。

二度とされてたまるか!

「それはそれで、何だか傷つくんだけどな…」

私はいまだパニックから立ち直れていない。


口を両手で覆って、顔を真っ赤にして、わなわな震えているだけだ。

「沙杏ちゃん、悪いんだけど、コレ、君に拒否権ないんだ」

「はいぃ?!」

「君が地上の花嫁ってのは、生まれる前から決まってるの。あ、ついでに誕生日おめでと」

た、…誕生日…?!
あ!!
今日、私の誕生日だ!
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