海に花、空に指先、地に霞


「………」

「実のところね。これがあるから…海の王であるオレは、三人の中ではかなり不利だなって思ってたんだ」

「あ………」

「……聞くよ?」

「あの………」

じっと……凪世は待っている。
…待ってくれている。

本当にやさしい笑顔を浮かべて。
慈愛といってもいいくらいの、笑顔。

やさしく、残酷な海のような…凪世。

ぎゅっと…目を閉じる。
絞り出した声が、ひどくかすれた。

「…き、…聞いて…いいことなのか…わからなくて…」

「…うん」

「………これこそ、ルール違反な…気が、して」

「いいよ。……答えてあげる」

再度、目をキツく閉じて。
…足が、ガクガク震えた。

魂を巡らすといっていた彼らに。

…彼に。

ずっと聞きたかったこと。





「……遺体は……どこ……?」




< 116 / 164 >

この作品をシェア

pagetop