海に花、空に指先、地に霞
「………」
「実のところね。これがあるから…海の王であるオレは、三人の中ではかなり不利だなって思ってたんだ」
「あ………」
「……聞くよ?」
「あの………」
じっと……凪世は待っている。
…待ってくれている。
本当にやさしい笑顔を浮かべて。
慈愛といってもいいくらいの、笑顔。
やさしく、残酷な海のような…凪世。
ぎゅっと…目を閉じる。
絞り出した声が、ひどくかすれた。
「…き、…聞いて…いいことなのか…わからなくて…」
「…うん」
「………これこそ、ルール違反な…気が、して」
「いいよ。……答えてあげる」
再度、目をキツく閉じて。
…足が、ガクガク震えた。
魂を巡らすといっていた彼らに。
…彼に。
ずっと聞きたかったこと。
「……遺体は……どこ……?」