海に花、空に指先、地に霞
天鳥は、半開きのドアに半身を委ねるようにして、こちらを興味深そうに見てる。
「前も思ったけどさぁ。あんた、スタイルはまぁまぁいいよね」
「や、やだやだ!!出てってよ!!」
「なんで?褒めてるんだからいいじゃん。不公平ってなら僕も脱ごうか?」
「い、いや!!は、は、早く出てって!」
吃って、焦って、喚く私の反応を、天鳥はクスクス笑って楽しでいる。
そこへ私の雄叫びを聞き付けた凪世まで飛び込んできた。
「ちょっと、何事?沙杏ちゃん大丈……あ、」
「ギャ----!来るな来るな!!!」
タオル一枚で叫ぶ私を、二人は平然と見て、平然と会話した。
「ね、ナギ。沙杏て、スタイルだけは、まぁいいよね」
「…タオルが邪魔だな」
「ば、バカじゃない!!?早く出てってよ、バカ!!!」
朱をそそいで絶叫する私に笑いを残して、二人は出て行こうとした。