海に花、空に指先、地に霞

彼女の背を、なんとなく見送ってから。
私たちも家路に向けて、足を動かす。
凪世が真横でゆったりと歩きながら、つぶやいた。

「……友達なの?」

「? うん。クラスメイトだって言ったでしょ。1年生の時も同じクラスだったんだけど、そのころは取り立てて仲良くなくって。…でも今は、一番仲良くしてもらってる」

「…ふぅん。どうゆう子?」

「え? …可愛いし、やさしいし、すっごく…人気のある子」

「……なるほどね。それ以外は?」

「ええ?……えっと、勉強も運動もできる…みたいだし…。……んと」

「家とかってどこ?」

「ええぇ? っとね。…よく知らないんだけど、帰り道がいつも一緒だから………」

………ちょっと待った。
…何これ。
…なんで、こんな…しつこく聞いてくるの?


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