海に花、空に指先、地に霞

何だか、拗ねてる子供みたいだ…。
ちょっとだけ、ほほ笑ましく感じた。

頭をもたげて、真横に並ぶ天鳥を見る。

夜に浮かぶ空の王様は、一心に天を見ている。
…まるで、睨み付けるように。

夜の風は、少しだけ冷たい。

こんなふうに寝転がって空を仰いでいると、宇宙に放り出されたようで、心許ないから。

だから、私たちはしっかり手を握り合うんだ。

固く解けないように。

「…人は星になんかならない。ただ、巡るだけ」

「……うん。…そっか。そのほうが、やさしいのかも…」

天鳥と、指先を絡めて。
文句を言う割に、天鳥の指先に篭る力は、強い。

しっかりと、私と繋がる。


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