海に花、空に指先、地に霞
その声が耳に届いた途端、条件反射のように、カッと目が開いた。
「……………?!」
「沙杏、あんたブラ合ってないよ。多分Bの70じゃなくて、Cの65……」
「ギャ------!!」
真横に、男が寝ていた。
寝転がって頬杖ついた男が、つまらなさそうにこっちを見ている。金の髪が柔らかそうに揺れていた。
彼の片手は……私の方に伸びている。
行き先を辿ると…私の服の中に突っ込まれていた。
「……ギャ----!!!」
「うるさいな。ナギが言った通り、本当に色気ないんだから」
慌てて天鳥の手を引っぺがす。
服の中で、下着が盛大にずらされていた。
彼はのんびりとベッドに横たわったまま。
な、な、な………!
パニックになりながら、ベッドから飛び出す。
「ひ、ひ、人が……寝てるのに、ベッドに入り込んで……む、ムネ、ムネ、さ、さ、さわ……ッ!」