海に花、空に指先、地に霞
「ちょっと。あんた、吃り癖あんの?大丈夫…」
「へ、変態!!痴漢!!!変質者~ッ!」
目をぐるぐるさせて、顔を赤くさせたり青くさせたり。
そのうち、入り交じって、顔が紫になりそうだ…。
「ちょっと揉んだだけじゃん。気持ちよさそうにしてたって。意外と早く立っ……」
「やめて!!!…し、森さん!!シンさんッッ!!!」
好奇心旺盛なネコみたいな天鳥が、初めてムッと表情を歪めた。
「ちょっと、なんでシンなわけ?!」
私の絹を裂くような悲鳴(…とはいえないダミ声だったけど)を聞き付けたのか、天鳥の抗議の声と同時に、バン!と部屋のドアが開いた。
「…如何した、花嫁殿」
天の助け!とばかりに、私は森さんに駆け寄り、背後に回り込む。
「し、森さん!コイツ、斬っちゃって下さい!!痴漢です!変態です!!」
「うわ、ムッカつく」
「………アトリ」
「ちょっと乳揉んだだけだって。あ。あんたムネは合格。サイズも形も弾力も……」
「ギャ----!!」
もう誰か………!
誰か助けて!!
ここは私の部屋なのよぅ!
居心地がいい、私の部屋!!