海に花、空に指先、地に霞

「ほんと、うるっさい子。でもさ、思った以上にメルヘンチックな部屋だね。女の子~って感じ」

天鳥が、カピバラの形をしたクッションを抱えながら、クスクス笑った。

相変わらず、私のベッドの上で、胡座をかいて寛ぎながら。

ああ…。
私のお気に入りの癒しアイテムが…。

「カーテンとラグ、壁紙がお揃いなんて、かわいいよね」

だめだ。
脳みそが爆発しそうというか……。
血管がキレるというか…。

もうそろそろ、我慢も限界に近い。
こめかみがピクピク痙攣しだした。

「……この! ライムグリーンのカーテンがお気に入りで何が悪いの!?」

「かわいいって褒めてるんじゃん」

「かわいいわよ!爽やかでいいじゃない!!」

ガッと私は文字通り牙を剥く。

彼が馬鹿にした通り、私の部屋は爽やかテイストで統一されている。

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