海に花、空に指先、地に霞

今度は目をシロクロさせて答えに迷っていると、ベッドの上から、盛大な笑い声が響く。

「沙杏てば、本気で何にも免疫ないな~。カレシいたことないでしょ」


………。



もう……怒った。



馬鹿にされっぱなしなんて、冗談じゃない!!



「……来て!!」

「は?晩ご飯ならもう食べたよ。三人で」

「な…!私の分は…!……じゃない!!いいから来て!森さんも!!」

森さんの腕を無理矢理引っ張る。
森さんは、まだちょっと寂しそうな顔をしたまま、なされるがままに、私に引き摺られていく。
天鳥が仕方なさそうに、後を追ってきた。

「ちょっと!あなたも来て!」

ドカドカと足音を豪快に立てて階段を下りてから、リビングへ向かって声を張り上げる。
リビングには、一人で悠々とコーヒーを飲んでいる凪世がいた。
のんびり新聞を読んでいる。

その我が物顔なところも、血管がはちきれそう…!!


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