海に花、空に指先、地に霞
私の声に首だけ振り向いて、凪世が微笑んだ。
「沙杏ちゃん? すごい叫んでたけど、大丈夫?」
言葉だけ、心配気に。
「いいから来て!!!」
和室…というか、仏間。
私の両親とご先祖さまの部屋。
…今は森さんが間借りすることに勝手になったようで、静かに剣が置かれていた。
三人を連れ込んだ後。
私は仏壇に背を向けてキチンと正座した。
それから有無を言わさず、目の前に三人衆を並べて座らせる。
凪世は優雅に座り、森さんはキッチリ正座し、天鳥はだらしなく背を丸めて、胡坐をかいた。
深く深く息を吸い込んで。
「……いいですか!お三方!」
そうしたら、自分でもびっくりするほど、険しい声が出てきた。
おそらく、血走った目をしていたと思う。
……それくらい、必死だった。