海に花、空に指先、地に霞
「いくら言っても絶対に帰ってくれないので!悔しいけど! 本当に本当に悔しいけど……諦めます!あなた方が飽きるまで、居候でもなんでもしたらいい!!」
「…大丈夫?沙杏ちゃん、血管浮いて…」
「ただーし!!」
口を挟もうとした凪世を一蹴する。
「2階に上がってくるのは厳禁です!!」
「え、ちょっと待って。オレの部屋、2階なんだけど。ほら、沙杏ちゃんの隣部屋で、物置になってる…」
「いーえ!アレはあなたの部屋じゃありません!! ここは私の家です!店子は大家の意見に従うんです!!」
「…はぁ…。じゃ、オレはどうすれば…」
「客間はベッドが2つあります! そこを二人で使用すること!!」
「はぁ? 僕やだよ。ナギと相部屋なんて」
「オレも遠慮したい」
「じゃ、好きなところで寝たらいい!! とにかく!! 2階、とくに私の部屋は絶対侵入不可!!また、痴漢行為及びセクハラ、ましてや強制わいせつなどは、一切合切禁止します!!」