海に花、空に指先、地に霞
そして、この三人は仲がいいようだ。
三人でリビングに集まって、のんびり話している姿を見る。
互いの性格を熟知しているような、学校の同級生みたいな感じだ。
なんというか、…馴染み深い感じというか、リラックスした雰囲気がある。
年は三人とも違う感じなのに。
一番年上が森さんで、そのちょっと下が凪世、もっと下が天鳥。
外見からは、そんな風に見えた。
今日の献立は、和食。
ご飯にお味噌汁に、焼き魚、ほうれん草の御浸し。菜の花と蟹の湯葉包み……。
毎度毎度、食卓につきながら、不思議に思う。
いただきます、と言って箸を進めれば、…本当においしい。
一人暮らしになってから、出来合いものに頼ってきた私とは、大違いだ。
「ねぇ。なんでこんな料理上手なの? 王様なんじゃないの?」
…料理以外でもそうだ。
王様だのなんだのって言う割りに、……一般人の生活に馴染み過ぎている。