海に花、空に指先、地に霞

「…さ、掃除しよ!」

沈んでる場合じゃない。


1階はリビングから仏間、台所、客間、お風呂にトイレ。客間なんて、全然使ってないのに埃が凄い。

一軒家で一人住まいは、贅沢かもしれないけど、掃除がすごく大変。
絶対1日じゃ終わりそうもない。

悪戦苦闘しているところへ玄関のチャイムが鳴った。

「向神さーん、お届けものでーす…」

「あ、はーい」

何だろう?
何か頼んでたっけな?
ハンコを掴んで、玄関へ向かう。

「ご苦労様で………」

カラカラと玄関の引き戸を開くと…。


ニッコリと笑顔の男の人が立っていた。
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