海に花、空に指先、地に霞
だって、不自然すぎるじゃない?
……突然、結婚なんて。
花嫁なんて。
背筋が冷えた。
それは今までのような緊張感ではなくて。
すごくすごく、冷静な………理解。
……なんとなく、わかった。
「……あなた、たちには…『義務』なのね…?」
「? もちろん」
キョトンとして当然のように答える、凪世。
凪世の隣に座っている森さんも、さっきから表情を崩していない。
私は、薄く笑った。
心とか、
気持ちとか。
もっとダイレクトにいえば、愛しているとか…。
そうゆう結婚じゃ、ないんだ…。