海に花、空に指先、地に霞

コチコチコチ…。

…うるさい。

コチコチコチコチ……。

「………うるさいったら!」

リビングの置時計をつかんで、ソファのクッションのしたに隠す。

「………もう、やだぁ……」


そのクッションに顔を押し付けて…泣いた。




……父さん、母さん。

やっぱり。


寂しいよ。


一人でいるのは。

家族がいないのは、寂しいよ。








だから………。
何がどうなっても。


許してね。

もしかして、本当に本当に万が一だけど。






ヘンなところに、お嫁にいっても、許してね。



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