海に花、空に指先、地に霞


…あの人たちも、こうゆう子を選べばいいのに。

…ああ…選べないんだっけ。
向こうには選択権もないんだった。


向神家、ねぇ………。


私はぼんやり昨日の夜のことを思い出す。

………あのあと。
みんなで家に帰って、それからたくさんの話を聞いた。

疲れていたけれど、あの機会を逃すと、意地っ張りな私は、二度と素直に話を聞けないかもしれないから。

昨夜の会話を幾度も頭の中で再生する。


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