海に花、空に指先、地に霞
王家の役割は…地上のあらゆる生命を巡らせること。
ありとあらゆる生命を、滞りなく。
地に朽ちた者の魂。
海に散った者の魂。
それらは、丁寧に浄められて、空に還される。
そうして、空は再びその魂を地に海に還す。
…大変なお仕事なんだね、と笑うと。
……珍しく、王たちはただ静かに笑った。
だから…それがいかに尊いことか、少しだけ理解できて、多いに恥じた。
馬鹿みたい、なんていっちゃいけなかった…。
私は、再び小さく正しく謝った。
さらに。
ときに天災と呼ばれるものを巻き起こし、引き下げるのも。
はぐれた魂のカケラは魂ある者に執着して、乗っとろうとするから、そのカケラの浄化するのも(私が襲われたのも、そのはぐれ堕ちた魂のカケラだと言われた)。
すべては、あらゆる均衡を保つために。
海と空と地は、絶対的な均衡を保たなければならないから。
すべての生命を。
……魂を、巡らせるために。
世界を、地上を、豊かに保つために。