海に花、空に指先、地に霞
海風デート



当然ながら学校へは毎日行く。

退屈な授業。
授業と授業の合間のお喋り。
昼休みのお弁当。
放課後の寂寥感。

ありふれた、馴染み深い日常。

私の何が気に入ったのか、可憐な梢子ちゃんがよく話しかけてきてくれて、自然と4人くらいのグループが出来上がっていた。

でもやっぱり私はちょっと浮いていた。

…私は、あまり友達を上手に作れない。
うまくなじめない。
自分から、積極的に輪の中に入っていくのが、ちょっとだけ苦手で。

だから、交わされる会話に時折相槌を挟むだけで、ニコニコしながら、眺めていることが多い。

…天鳥あたりが見たら、「何、ネコ被ってんの」って爆笑すると思う。

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