天を仰ぎ


ミユは後退り、来た道を引き返した


ふらりと外へ出て中庭のベンチへと無意識に向かう

部屋へ戻る気分ではなかった


ベンチに座り空を見上げる


木々の合間から真っ白な満月が見えた


涙を溢さないように何度も瞬きをする


しかし涙は思いとは裏腹に溢れだし頬を伝った




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