天を仰ぎ
「ねぇ、お母さん。」
リビングの椅子に腰掛ける
「なあに?」
キッチンで野菜を切るトントンとリズミカルな心地よい音を立てながら母親は答える
「ちょっと聞きたいんだけど…。」
「うん?」
「私がこの家の庭で倒れていた時の話なんだけど…。」
リズムを刻んでいた音が止まる
「美優、何か思い出したの?!」
心配そうにミユを見つめる母親
「ううん。私は何か言ってた?何をしてたか…何故この家の庭にいたか…とか?」