天を仰ぎ

天使の役目




「ミユ様。お待たせ致しました。」



屋上の手すりに身体を委ねていたミユは手すりから身体を離す



「何故、理杏君は羽根がないの?」


「ミユ様、そもそも天使の役割は覚えていますか?」


ミユは首を縦に振る


「天使が出来る事といえば…。」



パチンッ

指を鳴らす


すると初めて出会った日の様に粉雪が晴天の中しんしんと降る


「雪や雨を降らす事。そして…。」


またパチンッと指先を鳴らす


雪が一瞬にして消え突風が起きる





< 164 / 259 >

この作品をシェア

pagetop