ミンショウ!

──…昨日の始業式

「次に、生徒会長からです。生徒会長 新堂 眞守さん、お願いします。」

「はい。」

少し低めで透き通った声は、私たち一年生に優しい印象を与えた。


「きゃあああああああ!!!」


びっくりした。私たち一年生の前に立っている二年生と三年生の女子が、いきなり騒ぎ出したのだ。


「きゃあああ新堂様ー!!!」

「頑張って新堂くーん!!」

「生徒会長ー!!こっち向いて〜!!」


「(な、なんと・・・)」

私は驚きのあまり、声が出なかった。

しかし、隣にいた私の友達が話しかけてきたことで、はっと我にかえった。

「ちょっとちぃ子、見てあれ!やっぱここに王子様がいるって本当だったんだね。超かっこいい!!!!」

「え!?」


私もその王子様を見てみたくて、二・三年生が興奮して高く振っている手のすき間から覗いてみるが、なかなか見えない。


「み、見えん・・」

またいつか見れる時が来るだろうと諦めたその時、生徒会長がゆっくりと口を開いた。

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