NOWSON LIFE!〜私の夏休み〜
「ばあば、帰ったよ。」

山野さんが少し大きな声でおばあちゃんに呼びかける。

「この子が、林 美優ちゃん。○○大学の農学部に通ってるんだって。今日から1週間、家でお手伝いをしてくれるよ。」

おばあちゃんは火を止めると、顔を上げ私をじっと見つめる。
その視線がくすぐったくて、私は山野さんが言ったことと同じことを繰り返した。

「林 美優です。○○大学農学部2年生です。よろしくお願いします。」

私が言い終わると、おばあちゃんはにっこり笑った。

「はい、よろしくね。みゅうちゃん。」

みゅう、じゃないんだよなぁ……。
私のおばあちゃんも私のこと『みゅう』って呼ぶから、そう呼ばれるのにはもう慣れたけど。どうもお年寄りには『みゆ』の発音が難しいらしい。

「ばあば、みゅうちゃんじゃなくて美優ちゃんだって。」

「みゅうちゃん、ね。」

「だから、み・ゆ・ちゃん。」

「うんうん、みゅうちゃん……。」

そのやり取りがなんだか面白くて、私は笑ってしまった。
この空気、何だかものすごく懐かしい。
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