NOWSON LIFE!〜私の夏休み〜
「美優ちゃーん、そろそろご飯にしようか?」

おばさんの声に、私は立ち上がる。
視点が高くなると、どこまでも広がる緑色。その上にポツポツと家が散らばっている。

「すごいでしょ?どこまでも田んぼで。」

「本当ですね。何か、田んぼが主役って感じです。」

「そうね、ここでは田んぼあっての家だから。ウチだって、あの辺りまで全部ウチの田んぼだからね。」

へぇ、そうなんだ。広いなぁ……って!

「えっ?どこまでですか?」

「ほら、あの道路まで。こっち側は全部ウチの田んぼよ。」

おばさんが指さした先を1台の軽トラが走っていく。その軽トラが5センチくらいにしか見えなくて、私は気が遠のいた。
あそこまで山野家の田んぼってことは、あそこまで草取りしなきゃいけないってことだよね?

私は恐る恐るおばさんの顔を見る。おばさんは自慢げにニコニコ笑って、私に告げた。

「さぁ、一旦家に帰って朝ご飯の支度をしなきゃ。」

うーん、やっぱり、朝だけで終わるわけないよな……草取り。
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