NOWSON LIFE!〜私の夏休み〜
朝の作業が終わると、今日も私は卵をとってくるように言われた。
金網越に小屋の中を覗くと、一番大きな雄鶏と目があう。

「コケーッ!」

高圧的に大きな鳴き声を上げるニワトリ。
何?また今日も逃げ出そうって言うの?

「そうはさせないわよっ!」

私は不敵な笑みを浮かべると、たくさんのライバルが待つ小屋へと潜入した。幸い、ニワトリは扉の前に並んではいなかった。
そっと扉を開けて、狭い隙間から体を小屋の中私へねじ込むと、すぐに扉を閉めた。ニワトリがつついたくらいじゃ開かないようにしっかりと。

「よしっ、これじゃあ逃げないわね。」

扉が開かないことを確認すると、私は卵を目指して進んだ。卵は昨日と同じ場所に昨日と同じ数だけ、律儀に産み落とされていた。

「あんたたち、逃走しなかったらいい子なのにね。」

勝ち誇った笑顔で私は言うと、小屋の外に出て扉をしっかりと閉めた。ニワトリたちは不服そうに小屋の中を歩き回っている。

「コケーッ!」

小屋に入る前と同じ雄鶏が私を睨み、悔しそうに鳴いた。

「私は2回も同じ失敗はしないの。わかった?」
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