NOWSON LIFE!〜私の夏休み〜
晶に連れてこられた墓地は、本当に小さな墓地だった。
お墓なんて、数えるほどしかない。

「それで、どこにでるの?その幽霊さんは。」

ガチガチに固まった晶の顔を眺めながら、私は言った。

今日は月が明るい。
懐中電灯、いらなかったかもな。

「一番、奥。」

「声、震えてるじゃない。ほら、さっさと終わらして帰るよ?」

「震えて、ないし。」

私が一歩踏み出したとき、晶が私の手を握った。

「……ちょっと待って。」

何?やっぱり、怖いんじゃん。
不覚にも晶の行動を可愛いと思いながら、私は晶の手を握り返した。

「ねぇ、――。」

「大丈夫、離さないから。」

少し下から私を見つめる晶に、私は優しく言った。

「……ありがと。」
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