世界中の誰よりも
背の高い男の子だった。
あたしより少し年上だと思う。
長すぎない真っ直ぐな髪と穏やかそうな瞳が印象的だ。
「鞄に入れた雑誌、会計済んでないよね」
男の子はこの本屋のユニホームであるポロシャツを着ている。
店員だ。
見つかった。
だけどあたしはつんと済まして言い返してやった。
「これは別の店で買ってたの。学校に持って行ってたんだよ」
証拠がないんだから、しらばっくれてれば良い。
「それ最新号だろ。うちは他店より一日早く販売するんだ。他の店にはまだ置いてないはずだけど」