世界中の誰よりも
高校に入学するまで化粧っ気のなかったあたしは、加奈子に色々教わった。
「また今度貰ったら二人にも分けてあげるよ」
その言葉にあたしと愛美は手を叩いて喜ぶ。
お喋りをしながらだとあっという間に学校に着く。
いくつかの見知った顔に挨拶しながら教室に向かう。
あたし達三人は席も近い。
あたしの右隣りが愛美で、後ろが加奈子。
授業中も先生の目を盗んでは雑談したり、手紙を回したりしている。