世界中の誰よりも
男二人はバーガー2個ずつと、ポテトとコーラ。男の子って、よく食べるんだなぁ。
あたしはハンバーガー一つを頼んで、席についた。
「そう言えば、名前なんだっけ?」
本屋の男がバーガーにかぶりつきながら聞く。
「何お前、名前も聞いてないのかよ」
「うん」
隣の男の子が突っ込む。
彼は真っ黒い柔らかそうな髪と、嫉妬しそうなくらい綺麗な肌が印象的だ。
本屋の男も黒髪の男も、チャラチャラしたタイプではなく、落ち着いた雰囲気だ。
「で、名前は?」
あたしは二人から視線を外し、手元のバーガーを手に取りながら答える。
「ユキ」