世界中の誰よりも

「で? 話は?」


祐司が二つ目のハンバーガーに手を伸ばしながら聞く。


「別に、話ってほどのもんじゃないけど……」

「まぁ折角だし、言ってみなよ」


拓海が柔らかく促す。
ずっと無表情だから冷たい人かと思ってたけど、そうじゃないみたい。


「あの……」

「うん」


さほど気にもしていない風な祐司。

あたしは少し緊張しながら、意識して淡々と答える。


「昨日は、ごめん。あと、ありがと」


意外そうな目を向けた祐司と拓海。
あたしはわざと目を合わさないようにした。
< 119 / 264 >

この作品をシェア

pagetop