世界中の誰よりも
「で? 話は?」
祐司が二つ目のハンバーガーに手を伸ばしながら聞く。
「別に、話ってほどのもんじゃないけど……」
「まぁ折角だし、言ってみなよ」
拓海が柔らかく促す。
ずっと無表情だから冷たい人かと思ってたけど、そうじゃないみたい。
「あの……」
「うん」
さほど気にもしていない風な祐司。
あたしは少し緊張しながら、意識して淡々と答える。
「昨日は、ごめん。あと、ありがと」
意外そうな目を向けた祐司と拓海。
あたしはわざと目を合わさないようにした。