世界中の誰よりも

祐司はあたしをじっと見つめる。責めるつもりはなさそうだけど、その視線はなんだか痛かった。


「うさ晴らしか」


祐司が呟く。拓海は言葉を添えるでもなく、黙々とポテトを口に運んでいる。


うさ晴らし……
そうかもしれない。いや、そういうことだ。

イライラした気持ちを発散させるためにやったんだから。

冷静になって考えれば、自己中心的で最低な行為だってわかる。


「イライラしたからって、しちゃいけないことだった。……ごめんなさい」


拓海が口に含んだポテトをコーラで流し込むと、ふーっと息をついた。
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