世界中の誰よりも

そんなことを言われるなんて思っていなかった。

あたしの気持ちを肯定してくれる人が居るなんて、なんだか信じられない。


「俺達も例外じゃないけど、一人で全部抱えきれる人間なんかそう居ないぞ」

「そんな奴居たらむしろ変態だよ」


二人がそう言い合って笑う。

軽々しくないけど親しみやすい空気を作る祐司と、クールな雰囲気なのにびっくりするほど優しく話す拓海。

真剣に向き合ってくれるあまり窮屈になってしまう加奈子や愛美とは違う。

まして何も考えずただ貼付けた笑顔でつるむアヤやマキとも違う。

真剣で、でも柔らかい。
そんな空間。
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