世界中の誰よりも
お祖母さんと暮らしてるんだ。何か事情があるんだろうけど、出会ったばかりのあたしが聞けることじゃない。
そんなことを考えていると、番号を登録し終えた祐司が携帯を返してきた。
「暇な時なら話聞いてやる」
『祐司』と登録された番号を眺める。
「これってナンパなの?」
「バカヤロ。もっと女磨いてから言え」
あっさりと否定された。
これでも他校のメル友に告白されたりもするのにな。
拓海はそんなやり取りを柔らかく笑って見守ってる。
「祐司はこう見えて世話焼きなんだ。幸みたいに根は素直なのに不器用な子を放って置けないんだよ」