世界中の誰よりも
素直だなんて言われ慣れていなくて、あたしは少し胸がこそばゆい。
「まぁそういう訳だから、何かあったら言え。また万引きされても困るしな」
「もうしないよっ!」
いたずらっぽく笑う祐司に、あたしはフイッとそっぽを向く。
そんなやり取りを終えてあたし達三人は席を立った。
一応設定されている門限はとうに過ぎている。もっとも、最近のあたしにはそんなの有って無いようなものだ。
「じゃあ、またな」
「気をつけて帰りな」
二人の言葉にあたしは頷き、それぞれの家に帰って行った。
“友達”とは違うかもしれないけど、あたしを分かってくれる人。
今日はなんだか良い気分で眠れそうだ。